ドイル式木造で建築のつくりかた

2012/09/20 - 藤井工務店のシゴト


ミュンヘンを離れアルプスの山岳地帯にすすみます、あいにくの雨で山並みは見ることが出来ませんでしたが平野部とは違った街並みを見ることができました、まずバスが止まったところは木造住宅専門の中堅ハウスメーカーのプレカット工場です、残念ながら工場内の撮影はできませんでしたが隅々まで見せてもらうことができました。まず驚いたことは木造住宅しかも自然素材と安全性、デザイン性に優れた高品質住宅をほぼ工場内で加工してしまうことです、外装木材や断熱材充填、内装左官の下塗りまで工場内ででやってしまうのす。
品質の安定性と労働者の負担軽減には優れますが、職人の出番はなくなってしまったようです。

この工場のショールームに漢字で気の文字を見つけたり、何か日本的なセンスにふれることが度々ありました。ドイツの木造建築に関わる専門家は日本の木造住宅技術や文化、美意識を少なからず勉強しているうようです、その精神がどこかにひ潜んでいることを私たちは感じ取り、自分達にはではできなかっら割りきと実用性重視のドイツ版軸組工法に驚きをもって接し日本の木造住宅の可能性がまだまだあることに気付かされます。

こちらでは木造住宅であることは環境付加低減と快適性の両立であり性能にも妥協せず、いわゆるパッシブ性能(ほぼ無暖房)が当たり前のようにみえます、障害者の作業施設も木造、パッシブ、ペレットボイラーと理想的な組み合わせです、彼らにしてみれば理想を現実にすることは自然な流れでそれを妨害するものに果敢に挑戦する力があるように感じました。

その貪欲さは住宅だけに留まらずオフィスビルにまで及んでいます、

上の写真2枚は同じ建物の外観と内部です、外からみれば全く木造などとは想像もできない8階建てのビルディングが大断面集成材で出来ています、最大の障害は技術革新というようりも行政の理解だったようですが逆に出来てきたこの現場を見せてスプリンクラー設備を減らす提案をもらったほどだとききました。
我々には無理なことはない、信じて、貫けば不可能に思えたことも克服できるのだという自信をもらいました。
技術よりも哲学を学んでいるようです。

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