bre建築研究所

2011/07/29 - 大工が覗いたイギリス




ロンドン近郊の建築研究所に最新のエコ住宅が10棟ほど建築されているいるので見て来ました。
イギリスの気候は真冬でも東京ぐらいの寒さなので断熱に関しては、さほど高性能である必要性がないようですが、伝統的に動かない空気層を作ることで一定の断熱効果が確保されるので断熱性能よりも住宅の建築時に使う資材のエネルギー消費量に重点を置いて設計しているようです。
基本的にはブロックやレンガ又は石積み建築にすることで住宅の耐久性能は地震がないこともあって真面目に100年単位で考えられています、
それだけで、ライフサイクルのエネルギー消費量は少ないのですが、ブロックの焼き上げ温度を低温ですませてエネルギー消費をおさえたり、繊維質断熱材の素材に廃棄物を利用したり、植物や動物由来の繊維を利用するなどの挑戦をしているようです。
しかしこのような新築住宅が一般のユーザーに浸透しているか疑問だったので、今回お世話になっている在英の知人達に聞いたところでは、新築の注文住宅は住宅取得の選択肢には現実的にまず入らないとの揃っての返答でした、所得も含めての階級がほんのり一部の人達の幸福の為に社会構造が作られ、かなり優秀な人材であってもその壁を超えることができない矛盾を抱えている国であることも事実のーようです。

些細な事の積み重ね

2011/07/28 - 大工が覗いたイギリス



イギリスの人々の暮らしは大変に質実で消費生活を謳歌して居るアメリカや日本とは違う様です。
ものを大切につかい、必要なものを必要なだけ使う堅実さを持ち合わせているようです。
その考え方だからこそ古いものでも価値のあるものはお金をかけてでも直し使い続けます、写真のステンドグラスも100年以上前のものをきちんと直して使い続けます。些細なことではコンセントに個別にスイッチを設けて待機電力を無くしています、元から断つのが確実で合理的です。
声高にエコを語るのでは無く、欲張らずに自然体で暮らすことこそが大切だと教えられたように思います。

自由とルール

2011/07/27 - 大工が覗いたイギリス



家の外観は個人のものだけではなくそれを目にする全ての人の権利も尊重しなければならないルールがあるからこそ保たれる景観です、それを守るのはコストもかかるし大変ですがそうすることを受け容れる事が素晴らしいと感じました。
ただし木部の色は自由なので限られた範囲内で皆自己主張をしているようです。

Do it yourself

2011/07/26 - 大工が覗いたイギリス




古い家に住むと日頃からメンテナンスが必要です、工務店のように何でもやってくれる工事店がないので大工さんや、設備工事屋さんを探して依頼するのだそうですが、どこも非常に高額でいつになったら来てくれるのか分からないような状態なので多くの人が自力で何でもするので街のホームセンターで住宅資材が何でも揃います、施工方法のテキスト本も売っています。

120年前から

2011/07/26 - 大工が覗いたイギリス


滞在させていただいて居る御宅は築120年だそうです、床面積は250m2は超えそうな大さで、全室温水セントラルヒーティングですが、真冬の電気とガスの使用料は3万円程だそうです、壁は石なので蓄熱性能は高くても断熱性は期待できないはずなので詳しく構造を聞いてみると、外の石積みと室内側のレンガ積みの2重構造になっていてその間には対流しない空気層が確保されているとのこと、動かない空気は断熱材です、120年前に既にそういう考え方で設計している事に驚きました。