伝統工法の強度実験

2009/12/22 - 藤井工務店のシゴト


昨日、大工のサトルと2人で札幌での北の民家の会主催勉強会に行った報告です。
これは実際の建物の6分の1ですが細かな細工まで本物と同じに再現した模型を使っての横引っ張りに対する強度実験です。まずは一般的な筋交い工法は約20KGの力で壊れました、もちろん復元のしようがありません。次に伝統的な貫工法です、50KGの力をかけると大きく傾きますが、壊れはしません、そして驚くことは力を緩めると元通りに復元するのです。金物に頼らない木組みでの工法は粘りがあり復元するのです、しかも金物を建築基準法どおりに使用した筋交い工法の2倍以上の強さがあることが実験でわかりました。
今までは漠然と伝統工法もそれなりに強度はあると思っていましたがまさか現代の工法よりも強いとは思っていませんでした、このことを知ったことは大きな喜びです。
しかし、伝統工法は大変な手間と大工の高度技能と多様な天然木が必要なので建築費がとても高価になってしまいます、それでも一部でも取り入れていきたいと思いました。

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